テラヘルツ帯材料計測システム

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  • #材料評価
  • #Beyond 5G(6G)
  • #誘電率

特徴・優位性

  • 約100GHzから20THzまで、広い周波数範囲で吸光度測定に対応
  • 分子間の水素結合等を反映し、誘電体材料や生体高分子を高精度で解析
  • 試料の材料特性や測定パラメータに合わせて光学系を選択可能
  • 技術相談可

用途・応用分野

  • テラヘルツ波を利用した無線通信等で用いられる材料の評価
  • 生体高分子の構造等の解析
  • 非金属材料の研究開発
基礎実証済

概要

テラヘルツ帯電波の利用促進を目指して、様々な誘電体材料や生体組織等のテラヘルツ帯における誘電特性を精密に計測する手法や、解析手法に関して研究開発を行っています。

光の指向性と電波の透過性を合わせ持つテラヘルツ波は、レンズ等を用いて様々な非金属材料中を伝搬させることができるため、伝搬後の電界波形を解析することで、材料中の分子の集団的挙動を推測することができます。特に、分子間の水素結合等を反映したデータが得られるため、例えば、皮膚に含まれるコラーゲンの3重螺旋の状態や水分量などを評価できる可能性について検討を進めています。コラーゲン分子については、図1のような分光器を使用することで、図2に示すテラヘルツ吸収スペクトルを得ることができ、また、シミュレーションによって、吸収が複数の官能基の集団振動によって生じていることがわかっています。熱変性などにより分子構造に歪みが生じた場合には、このスペクトルの形状が変わるため、その変化を利用した分析が可能です。 (2025年6月19日更新)

研究室のデスクに設置した、テラヘルツ分光器撮影写真。奥に移りこむノートPCと比較して、横幅と奥行きは3倍、高は1.5倍程度
図1 テラヘルツ分光器
測定・検討中である、コラーゲンの状態評価グラフ
図2 コラーゲンの吸収特性

関連情報

  • 文献:1.Maya Mizuno, et al. Journal of Biological Physics. 2015, vol. 41, p. 293.
  • 文献:2.Maya Mizuno, et al. Biomedical Optics Express, 2021, vol. 12, p. 1295.

担当部門

電磁波研究所 電磁波標準研究センター 電磁環境研究室

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