電気光学(EO)ポリマーを用いた新規テラヘルツ検出方法と素子
新規原理(シュタルク効果)を用いた超広帯域テラヘルツ波検出
紹介記事
2022.03.15.
NICT先端研究/EOポリマー、高周波電界計測に貢献
2022.03.15.
NICT先端研究/EOポリマー、高周波電界計測に貢献(https://nikkan.co.jp/articles/view/00630632)
特許
7142904号
「非線形光学素子、電磁波検出装置及び電磁波検出方法」 山田俊樹、梶貴博、大友明
研究者より
本シーズに関連する研究内容が2022年3月15日の日刊工業新聞においてNICT先端研究として紹介されています。今後、超高周波電界計測技術はあらゆる場面で重要になってくると期待されます。この技術を実用化するために企業や団体との共同研究を希望します。
ナノ機能集積ICT研究室
概要
高性能、高機能な電気光学(EO)材料であるEOポリマーを用いて超広帯域なテラヘルツ波検出を可能とする新規検出方法を開発しました。テラヘルツ電場ETHzによってEOポリマーの吸収スペクトルがシュタルク効果によってシフトすることを利用した検出方法です。EOポリマーは他の材料系に比べて広いテラヘルツ周波数帯域で透明であり、しかも非常に薄い薄膜(1μm程度)を通過する瞬間的なテラヘルツ波電場により変調された透過光強度変化を測定するため、テラヘルツ電場ETHzの高精度での実時間計測及び超広帯域検出が可能です。
新規検出方法により、フェムト秒レーザーを用いて発生させたTHzパルスの広帯域検出の実証をしています。従来方法である電気光学結晶を用いた電気光学サンプリング法と比較して、簡易な光学系を用いて、超広帯域検出が可能です。
提供内容・活用
本技術は、励起・プローブ光用のフェムト秒レーザーを用いて超広帯域のテラヘルツ波検出を可能にするものであり、様々な非接触検出への応用が期待されます。アンテナ構造、表面プラズモン、フォトニック結晶との組合せにより、検出効率の大幅な改善も期待できます。また面状の検出媒体であるため、イメージング用途での応用も考えられます。
電気光学(EO)ポリマーを用いた新規テラヘルツ検出方法と素子
新規原理(シュタルク効果)を用いた超広帯域テラヘルツ波検出
関連情報
文献:T. Yamada, T. Kaji, C. Yamada, and A. Otomo, “Terahertz wave detection by the Stark effect in nonlinear optical polymers,” Jpn. J. Appl. Phys. 58, 040901 (2019).